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「コンプレックスはアートである」「ネオかわいい」をコンセプトに活動する4人組ガールズバンド「CHAI(チャイ)」。彼女たちは2016年春以降急速に注目を集め、日本だけでなく世界の音楽好きの中で存在感を増しています。ここではCHAIのあふれんばかりの魅力の一端をご紹介します。

2018年は「CHAI」と「ネオかわいい」の年!

現在急速に注目されているニュー・エキサイト・オンナバンド「CHAI」。同年代の若い女の子だけでなく、音楽好きのおじさんたちまで熱狂させる彼女たちの魅力とはいったいなんなのでしょうか。

双子のヴォーカルでキーボードを担当するマナちゃんとギター担当のカナちゃん、ベース&コーラスのユウキちゃんに、ドラム&コーラスのユナちゃん。

美人や美少女とは言えないルックスの彼女たちですが、むしろそれを武器にして「コンプレックスはアートなんだ」というメッセージを発信しています。

すでに活躍の舞台は日本を飛び出し、韓国にも進出しています。2017年には全米8都市ツアーも実施し、同年10月には1stアルバム「PINK」もリリース。

2018年1月20日現在で、すでに3月から2年連続となるアメリカツアーの開催も決定しています。

年始の日本テレビ『バズリズム02』では、「これはバズるぞ2018年版ランキング」で「最もバズるバンド1位」を獲得。

バカリズムさんへのタメ口には賛否両論ありますが、バカリズムさんが言うようにトガったバンドとしてのあるべき姿ともいえるでしょう。

CHAI『N.E.O.』Official Music Video

こちらはCHAIのコンセプトを前面に押し出した楽曲「N.E.O」のMVです。のっけから自分たち、そしてリスナーのルックスを全肯定する歌詞を、独特のボーカルと骨太なグルーヴに乗せていきます。

コンプレックスはアートだ!

出典:https://www.youtube.com/watch?v=YMGf3zyhG94

彼女たちのコンセプトが一番わかりやすく現れているのは、1分31秒以降の部分です。

一度は隠した体のコンプレックスを全てさらけ出していき、「ネオかわいい」と連呼しながらコンプレックスを全肯定する。これは周囲の視線を前提とした既存の「かわいい」への反逆行為です。

つまり「N.E.O.」は現代日本のパンクソングなのです。

元来パンクというのは既存の価値観に反逆し、「そんなもんやめちまえ!自分らしくいろよ!」というメッセージを破壊的な行為で示す音楽でした。CHAIの音楽には、こうした生き方としてのパンクがあるのです。

CHAI – N.E.O. [YouTube Music Sessions]

こちらはCHAIが次世代のミュージシャンを集めた「YouTube Music Sessions」で「N.E.O.」を演奏した動画。

この動画にはライブパフォーマーとしてのCHAIが現れています。可愛らしくて力強い。特にドラムとベースの安定感は、そんじょそこらのバンド顔負けです。

その演奏力は、ユナちゃんのドラムを聴いて、日本を代表するドラマーで元「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」の高橋幸宏さんと比較する人もいるほどです。ともすれば「コンプレックスを肯定せよ」というメッセージは陳腐になってしまいます。

しかしCHAIは単に「ネオかわいい」というコンセプトを打ち出すだけでなく、それをきちんと音楽として昇華させた。そこにCHAIの最大の魅力があるといえます。

CHAIの「ネオかわいい」がわかるオススメ楽曲3選

さらにCHAIの魅力を堪能してもらうために、以下では特に「ネオかわいい」が現れている3曲を彼女たちの楽曲から紹介します。

CHAI / ぎゃらんぶー MV (ちゃんとしたミュージックビデオ Ver.)

こちらは1stEP『ほったらかシリーズ』収録の「ぎゃらんぶー」

ちょっと聴いただけでは意味のない言葉の羅列のように思えますが、実際は「そんなのおかしいだろ」とか「普通じゃない」「認められない」というモノ・コトに対して、「そんなことで悩んでじゃねえ!」とゲキを飛ばす曲となっています。

横顔に顔を書いたCHAIらしい描写。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=FcuQcSEa_LE

この曲のらしさが出ているのがこちらの場面。横顔に顔を描き、「変なの」「おかしいでしょ」というこちらの感情を煽っています。

「ぎゃらんぶー」はこの感情に対して、「変じゃねえよ!」「おかしくねえよ!」と言っているわけです。もうめちゃくちゃパンクです。

CHAI『ほれちゃった』Official Music Video

続いて紹介するのは2017年10月24日にMVが公開された「ほれちゃった」。ここまでとは打って変わってメロディアスな楽曲ですが、なんとチャオズ=餃子への愛を歌っているんです。

この流行のラブソングをあざ笑うかのようなテーマ設定がCHAIらしさです。

CHAI『ヴィレヴァンの』Official Music Video

最後に紹介するのはこちらの「ヴィレヴァンの」です。

主流から外れるものを主役級に扱うことに定評のある某雑貨店をテーマにした歌詞を、ポップ×ヒップホップ×パンクのカオスなサウンドに乗せてリスナーの耳に叩きつけてきます。

既製品のケーキを叩き潰す!

出典:https://www.youtube.com/watch?v=ayrX9FfN3Jk

MVもかなり印象的です。冒頭で既製品のケーキを叩き潰し、自分たちの手でパーティを作り上げていく。

この「DIY(Do It Yourself=自分たちでやる)」の精神は、往年の英国パンクバンド「クラス」がスローガンと掲げたものです。このガールズバンド、カッコよすぎだろ……!

従来のパンクに、自分たちならではの「かわいい」や「コンプレックス」といったテーマを乗せ、骨太なサウンドでガンガンやる。このスタイルがCHAIの真骨頂です。そりゃ「最もバズるバンド1位」にもなるわ!

かわいいは「作る」んじゃなくて「そこにある」もの

CHAIが掲げる「ネオかわいい」とは、すなわち「かわいいは作るもんじゃなくて、もうそこにあるもんなんだ」というメッセージです。

つまりは「かわいい子=自分をちゃんと認めている子」という図式ができあがります。外見だけかわいくても、本当の意味でかわいいことにはならないのです。

すでに固定されてしまった「かわいい」の概念をひっくり返し、新たな「ネオかわいい」を打ちたてようとするCHAIの音楽。こんなにキュートでパンクなバンド、なかなか出会えません。

2018年、「CHAI」と「ネオかわいい」は間違いなく要チェックキーワードになりますよ!