12月1日にはユーキャン新語・流行語大賞のトップテンが、12月2日には東京産業新聞社運営の「ガジェット通信」が主催するネット流行語大賞が発表されました。ここでは今年の日本を反映するこれらの流行語大賞から、全8個の流行語を元ネタとともに紹介します。

ユーキャン流行語大賞・ネット流行語大賞どう違う?

12月初頭に発表されたユーキャン新語・流行語大賞(以下、ユーキャン流行語大賞)とネット流行語大賞。ここではこれらの流行語大賞で選出された今年の日本のキーワードを、元ネタとともに8個紹介します。

しかしその前に、この2つの流行語大賞の違いについて知っておきましょう。

ユーキャン流行語大賞は1984年にスタートし、毎年12月上旬に発表される、「生涯学習のユーキャン」の株式会社ユーキャンと総合出版社「自由国民社」が主催する流行語大賞です。

流行語のトップテンと年間大賞語は、自由国民社が1948年から発行し続けている『現代用語の基礎知識』の読者アンケートを参考に、選考委員会によって選ばれます。選考委員は以下の通りです。

・東京大学名誉教授の姜尚中さん
・歌人の俵万智さん
・女優でエッセイストの室井滋さん
・漫画家のやくみつるさん
・クリエイティブ・ディレクターの箭内道彦さん
・『現代用語の基礎知識』編集長の清水均さん

一方でネット流行語大賞の運営会社は「ガジェット通信」の東京産業新聞社。東京産業新聞社は2ちゃんねるの創設者・ひろゆきさんが取締役を務める「未来検索ブラジル」の子会社で、ネットを使った情報メディア編集・提供をメインビジネスとする、ペーパーレス新聞社です。

流行語大賞はネットの投稿などの解析結果をもとに候補キーワードを選出し、4,000人以上の投票参加者の投票によって選ばれます。そのためユーキャン流行語大賞とは少し違う視点から、「今年の言葉」を考えられる流行語大賞となっています。

2つの流行語大賞が選んだ3つの流行語

主催企業も選考方法もまるで違う2つの流行語大賞ですが、今年は共通する言葉が3つもありました。まずはこの3つの流行語を見ていきましょう。

流行語総なめ!「PPAP」

PPAP(Pen-Pineapple-Apple-Pen Official)ペンパイナッポーアッポーペン/PIKOTARO(ピコ太郎)

ユーキャン流行語大賞ではトップテンに、ネット流行語大賞では金賞に輝いたのは、ドーラでも色々な角度で紹介してきたシンガーソングライター・ピコ太郎さんの「PPAP/ペンパイナッポーアッポーペン」です。

元ネタ動画の再生回数は2016年12月14日現在で9億9千万回以上。YouTubeの「ミュージック全世界トップ100」の9月30日〜10月6日付のランキングで世界1位を獲得しています。日本だけでなく世界を席巻した「PPAP」は、確かに文句なしの流行語ですね!

累計5億DL突破!「ポケモンGO」

【公式】『Pokémon GO』 初公開映像

ユーキャン流行語大賞ではトップテン、ネット流行語大賞では銀賞を受賞したのが、みんな大好き「ポケモンGO」。筆者も2015年にこちらのPR動画が発表された時からワクワクドキドキしていました。

2016年7月にリリースされ、9月には全世界100カ国以上で配信され、累計5億ダウンロードを突破。まさにとどまるところを知りません。

堀江貴文のQ&A「ポケモン GO活用!?」〜vol.723〜

実業家・堀江貴文さんも「ビジネスとしてのポケモンGO」に注目し、自身もたっぷり遊んでいるようです(ポケモンGOについての話は1分15秒あたりから)。堀江さんの話を聞いていると、ポケモンGOは2017年以降も形を変えながら展開されていきそうです。

日本の問題を浮き彫りにした!「保育園落ちた日本死ね」

ユーキャン流行語大賞ではトップテン、ネット流行語大賞では銅賞を受賞したのが「保育園落ちた日本死ね」。これが流行語大賞に選ばれたことについては賛否両論が今なお飛び交っていますが、この言葉の元ネタを知らない人は意外と多いのではないでしょうか。

元々は無料ブログサービス「はてなブログ」の「はてな匿名ダイアリー」に2016年2月15日に投稿された「保育園落ちた日本死ね」というタイトルのブログが発端です。

このブログでは少子化や女性活躍に対する政府の矛盾した政策への憤りがぶちまけられており、匿名ならではのストレートな言葉が話題を呼んだのです。

中の人である「保育園落ちた人」さんが自身のTwitterでつぶやいている通り、この話題は単なる「流行語」で終わらせてはいけない問題です。2017年以降、日本全体でより深く考えていかなければならないでしょう。

知っておきたいユーキャン流行語大賞の流行語3選

続いてはユーキャン流行語大賞の中から、今年を振り返るうえで知っておきたい3つの流行語を紹介していきましょう。

世代を超えた言葉!「神ってる」

まずは年間大賞を受賞した「神ってる」です。小中高生など若年層には随分前から使われていた言葉なので、「なんで今なの?」と感じる人も多いようですが、実はこれは単に流行したからというよりは「世代をつないだ言葉だったから」というのが選出理由なのです。

【Veryカープ!】2016広島東洋カープ優勝報告会

元ネタは今年リーグ優勝を果たした野球チーム・広島東洋カープの現監督を務める緒方孝市さん。チーム連勝中のインタビューで、2日連続でホームランを打った鈴木誠也選手について「今時の言葉で言うなら『神ってる』よな」と評したことで野球ファンの間で広まったのです。

この「おじさん世代が若者言葉を使い、それが広まった」という点が評価され、「神ってる」が年間大賞に選ばれたというわけです。

『君の名は。』で一般化!「聖地巡礼」

「君の名は。」予告

トップテンの一つに選ばれたのが「聖地巡礼」。確かにネットではかなり昔からあった言葉です。

しかし映画『君の名は。』が興行収入205億円を超える大ヒットを記録し、舞台となった岐阜県の飛騨古川への聖地巡礼が流行したことから、この言葉が一般化したと評価され、流行語に選ばれました。

賞を受賞したのは他に先駆けて「聖地巡礼マップ」というサービスを製作・発表したディップ株式会社となりました。上のツイートはサービスの公式キャラクター「聖地めぐる」ちゃんのもの。戸惑いながらも感謝するめぐるちゃん、かわええ……(フォローした)。

全世界が衝撃!「トランプ現象」

3つ目に紹介するのはトップテンの「トランプ現象」。元ネタはもちろんドナルド・トランプ次期アメリカ大統領です。炎上も恐れぬストレートな物言いであれよあれよと支持を勝ち取り、全世界の予想を覆す結果を掴み取りました。

トランプさんの政治スタイルは「極右」。つまり今の体制を一気に保守的に、あるいは反共産主義的に、または国粋主義的に変えていくというものです。

そしてこうした姿勢にアメリカ世論が傾いていく現象が「トランプ現象」と呼ばれました。トランプ政権は2017年からスタートするため、今後もこの言葉はキーワードになっていくでしょう。

知っておきたいネット流行語大賞の流行語2選

次にネット流行語大賞の中から、知っておきたい2つの流行語を紹介します。

破壊力抜群!「センテンススプリング/文春砲」

まず紹介するのは特別賞を受賞した「センテンススプリング/文春砲」です。2016年の年明け早々から大きな話題を取り上げ、それ以降も次々と世間を騒がせるスクープを発表し続けた『週刊文春』。

スクープされた本人たちへの圧倒的な破壊力は「文春砲」と呼ばれ、今なお恐れられています。

ちなみにこちらはオリジナルキャラクター「文春くん」。Twitterのアイコンを見ればわかるように手には文春砲を持っています。なおセンテンススプリングとは「文(センテンス)春(スプリング)」という意味です。

ゴジラ史上最大ヒット!「シン・ゴジラ」

『シン・ゴジラ』予告

次に紹介するのはネット流行語大賞上位にランクインした「シン・ゴジラ」。2016年の7月29日に上映され、歴代ゴジラシリーズで最高額の興行成績を記録している大ヒット作です。

総監督・脚本は『エヴァンゲリヲン』シリーズの庵野秀明さん。辛口批評で有名な映画批評サイト「超映画批評」でも100点中90点という高評価を得ました。

こちらは『アオイホノオ』などを描いた日本一の熱血漫画家・島本和彦さんのツイート。このツイートは『アオイホノオ』の中で描かれる、学生時代の島本さんをモデルとした主人公が、庵野さんの監督作品に打ちのめされるシーンのオマージュとなっており、『シン・ゴジラ』の評判も合わさって話題になりました。

ちなみにこの「庵野……オレの負けだ……」もネット流行語大賞上位にランクしています。

来年はどんな流行語が生まれる?

酉年となる2017年はトランプ政権のスタートでもあり、30年近く活動し続けた国民的アイドルグループ「SMAP」の解散後初めての年でもあります。果たして来年はどんな流行語が生まれるのでしょうか。

わからないことだらけの現代ですが、2017年がみなさんにとって素敵な年になるよう、筆者は祈っています!

トップ画像出典https://youtu.be/0E00Zuayv9Q
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鈴木 直人
フリーのウェブライター。ファッションやサブカル、ビジネス、自己啓発など守備範囲は広い。非リアでぼっちだが、そんな自分をこの上なく愛している。