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女子中高生に人気の動画投稿SNS「ミックスチャンネル(以下、ミクチャ)」の中で流行している「へいへいゆーゆー」をご存知でしょうか。字面だけを見ると何とも間の抜けた単語ですが、これは本来「Hey Hey You You」という英詞なのです。果たして「へいへいゆーゆー」とは何か?どうしてこれが今女子中高生の間で流行しているのか?ここではそんな視点からこの言葉について考えてみたいと思います。

「へいへいゆーゆー」=「Girlfriend」

へいへいゆーゆー♡

ミクチャを席巻している「へいへいゆーゆー」という単語。これは一体何を意味していて、どうして女子中高生の間で流行っているのでしょうか。

「へいへいゆーゆー」の正体は「Hey Hey You You」という英詞で、2007年にリリースされたカナダ人歌手アヴリル・ラヴィーンのヒット曲「Girlfriend」のサビ部分です。2007年中に全世界で730万ダウンロードを達成し、日本でも300万ダウンロードを記録しました。ドラマ「花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜」「働きマン」などの予告CMなどに起用されています。

しかし現在の中高生はこの頃小学校低学年のはず。どうして今になってこの曲が流行したのでしょうか。

なぜ今「へいへいゆーゆー」なのか?

ガールフレンド

それはミクチャ内の「ツインズ」カテゴリで「Girlfriend」をBGMに双子ダンスを踊るユーザーが現れたからです。

#1『 Girlfriend 』やってみた

現在人気のミクチャユーザー・おおしま兄妹のおおしま(妹)の2015年3月23日の初投稿動画も「Girlfriend」の双子ダンスでした。

実は双子ダンスのBGMとして使われ始めた頃にはすでに「Girlfriend やってみた」とコメント欄に書くユーザーと「へいへいゆーゆー やってみた」と書くユーザーが混在しています。

へいへいゆーゆーやってみた

おおしま兄妹などは前者のように曲名を書いていますが、同時期に投稿されたこちらの動画では「へいへいゆーゆー」とされています。

「公開する動画のBGMの曲名くらい調べてから投稿する」のがアラサー筆者の感覚なのですが、8年も昔のヒット曲のタイトルなんて現役中高生にはどうでもいいのかもしれません。

なぜ「「Girlfriend」」は「へいへいゆーゆー」になったのか?

この「どうでもいい」というところ、つまり「あのあれ!へいへいゆーゆーって言ってるやつ!曲名は……知らないけど」というノリで、曲名が明らかにならないまま双子ダンスのBGMとして今も広がり続けているところに「へいへいゆーゆー」ブームの面白さがあります。

もう1つ面白いのは、歌詞と振り付けの不一致です。この双子ダンスは振り付けがかなり可愛く作られていますが、「Girlfriend」の歌詞自体は実のところあまり可愛くありません。

「Girlfriend」の歌詞は結構エグい。
「Girlfriend」の歌詞は結構エグい。

サビの「へいへいゆーゆー」の後の歌詞を意訳すると「あなたの彼女わたし気に入らないわ。あなたには新しい彼女が必要だって思うな。私ならきっとあなたの彼女にぴったりよ!」という感じになります。

つまり現在の中高生にとっては曲名にしろ、歌詞の内容にしろ、その内実はどうでもいいのです。この軽いノリが「Girlfriend」を「へいへいゆーゆー」という言葉に変換させたと言えるでしょう。

「軽薄さ」が新しい文化を生む!

「軽薄さ」と書くとまるで若者批判みたいに聞こえるかもしれません。しかし筆者は今回この記事を書いているうちに、この軽薄さにこそ新しい文化の源泉があると考えるようになりました。

「Girlfriend」という曲名にこだわっていれば、曲名がわからないミクチャユーザーはBGMに「girlfriend」を選ばなかったかもしれません。そもそも歌詞の内容にこだわっていれば、「可愛い」を重んじる女子中高生の間でこの双子ダンスが流行ることもなかったでしょう。

曲名も歌詞の内容もすっ飛ばして、「ノリ」だけを重視したからこそ新しい流行が生まれたのです。この発想はいつも深刻な顔をしている「大人」からはなかなか出てきません。

「楽しいかどうか」それが唯一の基準。
「楽しいかどうか」それが唯一の基準。

もちろん文化として洗練させていくには軽薄さだけでは不十分です。しかし時にはあえて軽薄になることで、普段は想像もつかない新しい価値を見出すことができるのではないでしょうか。

image by Youtube , Youtube , 写真AC

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鈴木 直人
フリーのウェブライター。ファッションやサブカル、ビジネス、自己啓発など守備範囲は広い。非リアでぼっちだが、そんな自分をこの上なく愛している。