サザエさんと波平のダンス
「あの『サザエさん』の視聴率が下がってきている」そんな話を聞いたことはありませんか?それもそのはず、1989年から2008年の平均視聴率が22.3%であったのに対し、2015年の7/27~8/2の平均視聴率が12.2%というデータが出ているのです。ここには少なからず日本人の価値観の変化があると筆者は感じました。そこで家族・女性・子供の3つの視点から、サザエさんの視聴率の推移を分析してみたところ、面白いことがわかったんです。

「サザエさん」の最高視聴率の推移

1946年(終戦翌年!)に新聞連載が始まり、1969年にはアニメ化がスタートし、1974年に新聞連載が終わってもなお現在に至るまで放送される「サザエさん」。まずはこの番組の視聴率の変遷について把握しておきましょう。

放送開始年から2012年に至るまでの「サザエさん」の最高視聴率の推移。日本的経営が崩壊し始めた時期からわかりやすく低下傾向を見せている。

データ元:Video Research Ltd. 

こちらが放送開始から2012年までの「サザエさん」の「最高視聴率」をまとめたものです。
視聴率のピークは1970年代後半のあわや40%台に突入かと思われた時期。そこからは80年代後半と90年代中頃に視聴率が上昇した時期がありますが、概ね低下傾向にあると言えます。

さてこちらを踏まえた上で、家族・女性・子供との関係を見ていきましょう。

「サザエさん」と日本の「家族」

かつての「理想」の家族。

「サザエさん」という作品は、長らく「日本の理想の家族」として考えられてきました。

終身雇用制度と年功序列賃金制度という「日本的経営」が健在の時代には、「男が外で働き、女は家を守る」という家族の形が実現可能であり、かつ理想的とされたのでした。しかし1980年を境として、日本の家族の実態はこの理想形から徐々に離れ始めます。

日本的経営の崩壊とともに専業主婦の数は減少していく。女性たちは社会にで出ていくようになる。

データ元:独立行政法人労働政策研究・研修機構

独立行政法人労働政策研究・研修機構の統計によれば、日本の専業主婦世帯は1980年の1,114万世帯から階段を転げ落ちるように低下しています。
1990年以降には減少傾向は落ち着くものの、それでも今なおグラフは右肩下がりのまま。つまり「サザエさん」の視聴率と同じ傾向を見せているのです。

「理想的な家族」の崩壊という現実に磯野家のあり方がそぐわなくなっていくにつれて、日本人はサザエさんを観なくなってきた、ということが言えるでしょう。

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鈴木 直人
フリーのウェブライター。ファッションやサブカル、ビジネス、自己啓発など守備範囲は広い。非リアでぼっちだが、そんな自分をこの上なく愛している。