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自分が何回死んでも、エミリアを守ろうとするスバル。
近年、Web上で発表されている小説作品が大手出版社のライトノベル文庫として書籍化されたり、その作品がアニメ化されたりすることも珍しくなくなってきた。今回は7月にアニメ化決定が発表されたばかりの人気Web小説『Re:ゼロから始める異世界生活』の魅力に迫る。

『Re:ゼロから始める異世界生活』とは

『Re:ゼロから始める異世界生活』はオンライン小説投稿サイト『小説家になろう』にて2012年4月より連載開始された小説作品である。ファンの間では「リゼロ」という略称で親しまれている。

現在もWeb上で第六章の連載が続いており、作者によると全十一章の予定。Web小説版の閲覧数はこれまでで6000万PVを超える大人気作だ。

2014年1月にMF文庫Jより書籍版の第1巻が発売されて現在第6巻まで発売中、2015年9月に第7巻が発売予定。またコミック版が月刊コミックアライブビッグガンガンの2誌においてそれぞれ連載中である。7月にはアニメ化が発表されたことで世間からの注目を大きく集めている。

異世界に召喚されたひきこもり学生・スバルの物語

コンビニ帰りに異世界に召喚されてしまった主人公スバル
コンビニ帰りに異世界に召喚されてしまった主人公スバル

ひきこもり学生の菜月昴(以下スバル)は、コンビニ帰りに異世界に召喚されてしまう

何か特別な知識や技術があるわけでもなく、武力やコミュニケーション能力も持たないいわゆる凡人であるスバルだが、ただ一つだけこの世界で使える特殊能力があった。それが「死んだら時間が巻き戻る」というもの。

痛みは伴うものの、未来の情報を得た状態でやり直せるという力を使い、スバルは頼る者のいない異世界を何度も死にながら生き抜いていくこととなる。

「何度も死んではやり直す」ループものとファンタジーの融合

スバルが手にしたのは死して時間を巻き戻す死に戻りの力。
スバルが手にしたのは死して時間を巻き戻す死に戻りの力。

死んだら時間が巻き戻るという、いわゆるループものと呼ばれるジャンルの作品である本作だが、最大の特徴はやはり異世界召喚というファンタジー要素とループを組み合わせている点である。

剣と魔法のファンタジー世界において、現実世界では一般的な学生でしかなかった主人公のスバルは基本的に無力。作中ではひきこもっている間、暇潰しに筋力トレーニングに励んでいたため同じくらいの体格の素人相手での素手のタイマンならなんとかなると語られているが、それでもファンタジー世界では割とあっさり死んでしまう

しかしながら本作では死んでからが本番ともいえる構成になっており、死ぬまでの記憶・経験・情報を持ったままの状態で時間が巻き戻り、最初からやり直すことが出来る。

無数の「こうであったかもしれない可能性(偶有性)」の中から、スバル自身が試行錯誤によって「こうでしかありえない正解(必然性)」を見つける過程こそが本作の最大の見所となる。この死んで繰り返す試行錯誤という手続きが実にゲーム的でありつつも、確実に痛みと恐怖を伴うというシビアな設定だという絶妙のバランスで成り立っておリ、それが本作における独自の魅力を形作っている。

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すーさん
学歴は理系、趣味は文系、身体は体育会系。 握力58kg。同い年の現役消防団員に腕相撲で勝利した近距離パワー型ライター。