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7月より放送中のアニメ『オーバーロード』は、ネット発のWeb小説が人気を博し、アニメ化した作品。主人公やその仲間全てが異形のモンスター集団という設定が話題を呼んでいる。見るからに悪そうなこの集団は果たして正義なのか、それとも悪なのか。謎の多い本作の魅力に迫る。

オーバーロードとは

『オーバーロード』は、もともとはオンライン小説投稿サイト『小説家になろう』にて2010年9月より公開されていた、一般人による小説作品である。公開時ユーザーから大好評だったことを受け、2012年7月からは書籍版がKADOKAWAエンターブレインより出版されている。

Web版と書籍版は基本的な設定こそ共通であるものの、登場人物やストーリーの内容は異なっており、2015年7月より書籍版を原作としたアニメが放送されて話題を呼んだ。
アニメ放送直後の書店では売り切れが続出しハイペースで増刷される事態に。2015年8月1日には累計100万部、その僅か20日後には累計150万部を突破している。

オンラインゲームの世界から異世界へワープ

オンラインゲームからストーリーは始まる
オンラインゲームからストーリーは始まる

2138年。一大ブームを巻き起こした仮想現実体験型オンラインゲーム『ユグドラシル』がサービス終了を迎える。
主人公・モモンガはプレイヤーとして、かつて栄華を誇ったギルドの拠点で一人、一足先にゲームを去って行った仲間達に思いを馳せながら終わりの時を待つ。しかしサービス終了時間となってもゲームが終わらず、それどころか突如としてNPC(ノンプレイヤーキャラクター)達が意思を持って動き始めた。

モモンガはゲームの機能が使えなくなったことと、ゲームからログアウトできなくなったことに違和感を覚え、配下のNPCに命じて周囲の情報を集めさせる。調べるうちにモモンガは、今自分がいるところは『ユグドラシル』ではなく、見たこともない異世界に飛ばされてしまったことを知る。

『ユグドラシル』での魔法などはそのまま使える異世界ではあるが、この世界において自分達がどれほどの力を持っているのか分からないことから、モモンガは慎重にこの異世界を知ることから始めていく。

主人公の外見はスケルトン

主人公のモモンガ。

この作品の最大の特徴は、主人公たちが異形のモンスター集団であると同時に圧倒的な力を持っていることである。
例えば主人公・モモンガはスケルトン、いわゆる骸骨。いかにもRPGに出てくるボスのような外見であり、一見すると非常に禍々しい。

しかしながら彼は現実世界では社会人であり、本来の性格は温厚で無益な殺生などは好まない。
異世界を冒険する作中で、モモンガはかつて一緒にゲームをしていた仲間達の誇りを背負う意味をこめ、『ユグドラシル』時代に自分がまとめ役を務めていたギルドの名前「アインズ・ウール・ゴウン」と名乗るようになるが、このことからも仲間思いで人間的な感覚を持っていることが窺える。

見た目も能力もどうしたところで悪役としか思えないが、思考や言動は人間的というギャップがモモンガ(アインズ)を魅力的なキャラクターにしている。

個性的な配下のNPCたち
個性的な配下のNPCたち

ではモモンガたちは見た目が怖いだけの正義の集団なのか、といえば決してそんなことはない。
モモンガは仲間である意思を持ったNPCたちや、ギルドの誇りを傷つける存在に対してはその圧倒的な力を用いて苛烈なまでの報復を行う。モモンガの人間的な面とモンスター的な面という二面性が、異世界を生き抜く上でどのように作用していくのかという点がこの物語における最大の魅力といえるだろう。

異世界転生系の作品に多いヒーローものの物語というよりは、任侠映画やピカレスク小説に似たアンチヒーロー的な楽しみ方が出来る作品となっている。

<次のページ:ネット上でも様々な評価>

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鈴木隆
学歴は理系、趣味は文系、身体は体育会系。 握力58kg。同い年の現役消防団員に腕相撲で勝利した近距離パワー型ライター。