予想をはるかに超えてコラムがヒットしたため、あの時代はなんだったのだろうかと常々考えています。
ひと言で言えば、運が良かったのだろうと思います。取材対象者――つまりWワークをしているキャバ嬢に恵まれたのだろうと。

キャバ嬢でも、頭のカタイのもいます。頭がカタイか、やわらかいかというのは、外見からはわからないので(頭突きをしてもわからないと思う。たぶん)、会って話す必要がある。でも、当時は(まあ今でもそうですが)、取材費なんて1円も出ない時代だったので、効率良く会う必要がある。
そういう究極の状況のなかで、(たぶん)神様が頭のやわらかい美女に出会わせてくれたから、ヒットコラムがいくつも生まれたのだろうと。

美女にはたいてい彼氏がいます。

いるとハッキリ言わないまでも、会話の端々でいることがわかります。
「あたし2年くらい彼氏がいない」と言っている美女に「じゃあエッチはどうしているの?」と聞くまでもなく、まあやることはちゃっかりやっているものです(誰だってそうでしょう)。

美女たちは、こと恋愛の話になると、すごく雄弁になります。
以前、美女たちの脳の成分はマンガと恋愛でできていると書きましたが、まあきっとホントにそうなのかもしれないと思うくらい、恋愛の話になると、こちらが聞きもしないことを嬉々として語ります。一部の金の猛者(金持ちのパーティーに夜な夜な参加しておられる美女)は、ちょっと特殊な例なので省くとして、たいていの女子は(ふつうの会社のOLとか女子大生とか)は、彼は貧乏だけど好きになったから付き合ったとのこと。

ではその彼のどこに惹かれたのかと尋ねたら、夢を持っていてかっこよかったとか、少年のようなハートを持っているところが好きなの!(ハートマーク)とのことでした。

勇気と希望とsome money

こういうことは、チャップリンが語っています。

勇気と希望とsome money。

もちろん、一般的には、女性は男性よりも現実的な生き物なので、好きになる男性の年収や社会的地位も考慮しているはずですが、いろんな美女の恋愛観は、煎じ詰めると「勇気と希望とsome money」だろうというのが、取材の結果、薄ぼんやりと見えてきたことです。
勇気と希望とsome moneyを具体的にいえば、たとえば以下の動画のようなことだろうと思います。

1940年に上映された映画『独裁者』のなかで、ヒットラーのダブルの床屋が兵士たちの前で­演説するシーンですが、チャーリー・チャップリンみずからが書いたスピーチです。
史上もっとも感動的なスピ­ーチとも言われ、各国の言葉に訳され、世界中に広められています。

男として知っておきたい「エッチするまでにかかるコスト」は、いつの時代もそういうことなんだろうと、目をハートマークにしてじぶんの彼のことを語る美女を前にふかく感じ入るわけです。

勇気もなく、ぱっとした希望もない著者としては、取材をしていて悶々としちゃう瞬間でもあります。

トップ画像出典https://www.flickr.com/photos/lightbugs/3403967566/
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ひとみしょう
作詞家・コピーライター・広告プランナーを経て、専業文筆家に。小学館 『Menjoy!』 での連載を経て、『ANGIE』初代編集長に就任(14年7月まで)。コラムの受賞歴多数。現在、連載9本を抱える。