シアタークリップ_バナー_3 時をかける少女①

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7月28日(火)に東京・サンシャイン劇場にて、キャラメルボックスの『時をかける少女』が開幕した。今年、劇団創設30周年を迎えたキャラメルボックスのアニバーサリーイヤー公演、第3弾となる。開幕に先駆け、同日、最終舞台稽古が行われた。

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原作『時をかける少女』は、1967年の発刊以来、幾度となくドラマ、映画、アニメ化などされてきた日本SF小説の金字塔。意外にもこれまで舞台で上演されることはなく、キャラメルボックスで初の舞台化となる。

今回の舞台化では、原作『時をかける少女』のその後を、17才の少女、マナツの物語として成井 豊が描く。尾道マナツは高校2年の女の子。札幌で両親と暮らしている。8月、目の病気にかかった伯母の世話をするために東京へ行く。伯母の家に着くと、幼馴染みの竹原輝彦と再会する。伯母の芳山和子は、大学で薬学の研究をしていた。輝彦も和子の教え子として、同じ大学に通っていた。翌日、マナツは伯母とともに大学に行き、輝彦に学内を案内してもらうが、途中で迷子になってしまう。人影を追って実験室に入ると、フラスコが倒れ、中からラベンダーの香りがする煙が立ちのぼる。マナツはその煙を吸って意識を失う。次の日、再び大学へと行くと、今度は地震が発生。マナツと輝彦に向かってエアコンの室外機が落ちてきた。ぶつかる、と思った瞬間、マナツは1分前に戻っていた。マナツの話を聞いた和子は32年前、何度もタイムリープしていたことを思い出す。

原作は筒井康隆の『時をかける少女』。約50年前に書かれた作品だが、今回の上演にあたり、現代の物語として、キャラメルボックスらしく、家族愛に溢れ、また、切ない恋の物語として成井 豊によって脚本化された。

物語は、マナツの回想録でもあるかのように、時にマナツがストーリーテラーとなって進めていく。主人公が、主観と客観を往き来する設定が、タイムリープという超常現象を浮世離れしたものだけにせず、観客の心を常に引き寄せた。

尾道マナツを演じたのは、一昨年入団したばかりの木村玲衣。常に前向きで、元気いっぱいで、怖いもの知らず。通常なら誰もが怖がるタイムリープという体験を、心の底から楽しんでいるよう。目の前にある状況を常に楽しんでいるという、現在の彼女だからこそ、マナツを鮮明に演じることができたのではなかろうか。そのマナツと行動を共にしたのが、池岡亮介演じる竹原輝彦。輝彦は、マナツと相反して、心配性。だが、そんな元気いっぱいで好奇心旺盛なマナツをどこかあたたかく見守り、気遣う優しい青年として演じていた。マナツが体験する摩訶不思議なタイムリープという体験を伯母である坂口理恵演じる和子に告白することで蘇る和子の記憶。その切ない体験の記憶が、彼女を苦しめもする。

今回の上演では、キャラメルボックスらしい家族の愛情に溢れた作品になっている。札幌から東京に送り出したマナツを常に心配する洋一(三浦 剛)と直美(前田 綾)の両親。東京でのマナツを受け入れ、常にマナツを想い、マナツから想われる伯母の和子と頑固な祖父、八郎(左東広之)。マナツとの久々の再会に心底喜び、本当の家族のようにあたたかく接する、幸夫(西川浩幸)、良子(岡田さつき)、輝彦、三奈(金城あさみ)の竹原一家。誰もが、マナツを愛し、家族を愛する。あたたかい心と人間の記憶が引き寄せ繋がる喜びを表す作品になっていたのではなかろうか。

原作を知っていても、今作で初めて触れても、十分楽しむことができる『時をかける少女』。東京公演は8月9日(日)まで。その後、大阪公演が8月20日(木)に幕を開ける。

時をかける少女②

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時をかける少女

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キャラメルボックス 30th vol.3 『時をかける少女』

<公演日>
東京公演:7月28日(火)~8月9日(日) サンシャイン劇場
大阪公演:8月20日(木)~8月24日(月) サンケイホールブリーゼ

<原作>
筒井康隆(『時をかける少女』角川文庫刊)

<脚本>
成井 豊

<演出>
成井豊+真柴あずき

<出演>
木村玲衣 西川浩幸 坂口理恵 岡田さつき 前田 綾 大内厚雄 三浦 剛
左東広之 鍛治本大樹 金城あさみ
毛塚陽介・関根翔太(ダブルキャスト)
近江谷太朗 池岡亮介

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