前回に続き、『銀河英雄伝説 星々の軌跡』に出演中の山本匠馬に密着。

この作品への思い、舞台に立つ醍醐味、共演者との出会いなどについてインタビューを行った。

6月10日よりZeppブルーシアター六本木にて上演されている『銀河英雄伝説 星々の軌跡』。
1500年後の宇宙を舞台に、独裁政権「銀河帝国」と、民主主義を標榜する「自由惑星同盟」が激しくぶつかり合う壮大なスペースオペラだ。
2011年に舞台化がスタートし、今回は11作目。
特別公演と銘打つ本作品において、初出演の山本は「銀河帝国」の若き勇将、ウォルフガング・ミッターマイヤーという重要な役どころを演じている。

――ミッターマイヤーのどんなところに魅力を感じていますか。また、どのように役作りをしたのでしょう。

山本匠馬(以下、山本):ミッターマイヤーは誠実で公明正大かつ実直な人物です。といっても、堅物というのではなく、規律に縛られてやや固い印象がある銀河帝国の空気を、ふわりとさせる自由さもあるんです。

役作りについては、共演のみなさんにもずいぶんと助けられました。みなさん常に役柄に入りきっていて、たとえば休憩中にディスカッションをしたりすると、銀河帝国を率いるラインハルト役の間宮(祥太朗)君は静かに見守っているんですね。僕とともにラインハルトを支えるロイエンタール役の小柳(心)君は、周りをよく見て発言する慎重さがある。作品に流れる空気をいつも感じながら、自然と役に入り込めたのは、とてもありがたかったなと思います。

――演じるなかでとくに苦労したところ、工夫されたところはどこでしょう。

山本:『銀河英雄伝説』には独特の言い回しがあります。たとえば、「あなたは」というのを「卿(けい)は」と言ったり。普通は「卿(きょう)」と読みますよね。そういう言葉で、独特の世界観をつくっているのが魅力ですが、慣れるまでは苦労しました。

また今回は『銀河英雄伝説』のなかでも、もっともきめ細やかな感情表現が求められるストーリーだと思います。銀河帝国トップであるラインハルトは、無二の親友を失った心の傷も癒えないまま、宇宙を手に入れるために策略をめぐらせます。気持ちの軸が定まらないトップに仕える私たちもまた、悩み、葛藤を抱える。複雑な人間関係や心の動きを表現することに心を砕きました。このあたりが今回の作品の大きな見どころにもなっているので、ぜひ舞台でじっくり味わっていただけたらと思います。

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平瀬菜穂子
出版社勤務を経たのちフリーに。主に人物インタビュー記事を多く手がける他、演劇・舞踊評などで活躍している。また80年代のサブカルコラムなども守備範囲。