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LOOPER
これでもかと怒涛の四面楚歌ピンチに見舞われながらも容赦なく襲いかかる凄絶な状況を乗り越え、爽快かつ過激に敵を制する…そんな映画の主人公に、『ミッション:インポッシブル』のトム・クルーズなどを思い浮かべる人も少なくないでしょう。
“肉体だけでなく頭でも勝負”“完璧な正義の味方ではなく、弱みもありどこか人間臭い”“なんだかんだ言っても最強”といったタグが付きそうなアクションヒーローは、昨今珍しくありませんが、その流れを作った先駆者こそ、かのブルース・ウィリスなのです!

文字通りの“ダイ・ハード(なかなか死なない)”野郎

ブルースといえば、代表作は、アクション映画の金字塔『ダイ・ハード』シリーズ。彼が演じる主人公ジョン・マクレーンが、それ以降のアクション映画のヒーロースタイルを刷新しました。

1988年に公開された第1作で、ランニングシャツに裸足というラフすぎるいでたちの警官マクレーンは、わずか拳銃1丁で敵に挑みます。しかし、度重なるピンチの連続を持ち前の頭脳と機転の良さで回避し、それまでの同ジャンルのテンプレだった“筋骨隆々の熱血漢がマシンガンをドドドとぶっ放して悪党を殲滅する”というパターンを踏襲しない変化球的展開が観客の心を鷲掴み。

外部と隔絶された空間で大勢の敵と戦う単独ヒーローという、のちに定番となる構図を確立しました。

映画のタイトルを地で行く“なかなか死なない”マクレーンのしぶとさとギリギリのところで九死に一生を得る手に汗握るシーンの連続は、今見てもスリリングで全く色褪せていません

こうして、『ダイ・ハード』は世界的に大ヒットし、2013年には5作目が作られるほどの人気シリーズに。ブルースは、名実ともに世界的トップアクションスターの地位を獲得しました。

もはや立ち向かう相手は人間だけではない

ハリウッド屈指のドル箱スターとなったブルースの快進撃は続きます。

『ダイ・ハード』シリーズで凶悪テロリストを相手に奔走していた彼でしたが、その後の主演作では、捨て身の活躍の理由がスケールアップ。『フィフス・エレメント』(1997)では、世界を滅ぼす邪悪な存在に対峙し、『アルマゲドン』(98)では、衝突寸前の小惑星に乗り込みました。

まさに世紀末の90年代の終わり、世界の終焉を思わせるパニック映画がブームとなりましたが、どこかダメ人間でも最後はカッコよく人類を救ってくれるブルースらしいヒーロー像は人々を魅了しました

1999年、彼は『シックス・センス』に出演。当時天才子役と騒がれたハーレイ・ジョエル・オスメントと共演し、児童心理学者として、死者が見える少年、そして死者に向き合うことになります。

悪人だけでは飽き足らず、隕石や死者にも果敢に立ち向かうキャラクターを演じ、出演作を軒並みヒットさせたことで、“向かうところ敵なし!”のブルース・ウィリス最強説は、さらに加速していったのでした

意外?そもそもコメディ役者だったブルース

アクション男優のイメージが強い彼ですが、実は、俳優としてのキャリアが軌道に乗り始めたのは、『こちらブルームーン探偵社』(85-89)というテレビドラマから。

オーディションで3000人の中から準主役に抜擢された彼は、同ドラマのお調子者の探偵役がハマり、コメディ役者として人気者となったのです。

永遠に美しく…』(92)などでも、コミカル演技を披露していますが、2000年には、テレビドラマ『フレンズ』の出演で、ゲスト男優賞コメディ部門を受賞しています。

同年の『隣のヒットマン』は、『フレンズ』のマシュー・ペリーと共演。伝説の殺し屋に扮したブルースと、隣家の歯医者役のペリーとの噛み合わない掛け合いが楽しいのですが、“ブルース=カッコいいヒーロー”という印象が観る側に刷り込まれているから余計に面白いのかもしれません

<次のページ:ブルースが戦った最強の相手とは?>

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雨宮 輝
ライター/ ディレクター/編集者 不動産、金融、ファッション、デザイン、美容、芸能、経営コンサルティングなどあらゆる業界を経て、ライティングの世界へ興味を持つ。現在は、書籍、雑誌、WEBなどであらゆるジャンルの記事を担当するライターおよびディレクターとして活躍中。映画やドラマをこよなく愛する。 個人サイト http://shimipandaw.wix.com/akira