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プレシャス [レンタル落ち]
「プレシャス」は2009年に公開された映画です。映画自体は小粒ではありますが、主人公の少女が直面する困難を通して、生きることの意味を問いかけてくる力強い作品です。ここでは「こんな映画知らなかった」「知ってたけど観たことなかった」というあなたのために、今もなお、重く、ひっそりと訴えかけてくる同作品のディープな世界をお届けします。

少女・プレシャスが抱える深い闇

ストーリー

実父と義理の父によって妊娠を2度させられ、母親(モニーク)からは精神的にも肉体的にも虐待を受ける16歳の少女プレシャス(ガボレイ・シディベ)。悲惨な家庭環境に生きる彼女は、学校の先生や友達、ソーシャルワーカー(マライア・キャリー)らの助けを借り、最悪の状況から抜け出そうとするが……。

引用元:YAHOO!JAPAN映画

怠惰な母親と性的虐待を繰り返す義父を持つプレシャスは貧困層で暮らしており、いつも「誰かが私を変えてくれる」と密かに願っています。しかし母親から「学校なんか役に立たない」と罵られ、まともな教育を受けられない彼女は読み書きも満足にできません。

劣悪な家庭環境や行き届かない教育、そして孤独が幼い少女を取り巻いています。

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太っていることでハーレムの子どもたちにからかわれてしまうプレシャス。この少女に生きる喜びや楽しみはない。

そんな彼女を唯一支えているのが「イマジネーション」。母親や義父から虐待されたとき、辛い目に遭っているときに頭の中で「憧れの自分」を思い描くことで自らを護っているかのようです。

まるで「自分の頭の中だけは誰にも侵されない」と言わんばかりの悲しい妄想です。

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頭の中では白人のイケメン彼氏がいる設定。この設定は日本の女子の妄想とあまり変わらない気もする

ある日、プレシャスは妊娠のために学校を退学させられてしまいます。その後校長からフリースクールへ通うように言われますが、母親は「学校なんか行かなくてもいい」と自堕落な暮らしを強要しようとします。

あげくの果てには「あたしの亭主を産むからってえらそうに」「誰もあんたなんか求めてない」「あんたなんか堕ろせばよかった」などと吐き捨て、プレシャスを深く傷つけようとします。

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プレシャスの母親(モニーク)。いつもテレビを観ているか、タバコを吸っているか、食事をしているか、しかやってない。生活保護制度で自堕落な生活を送ることしか頭にないスーパー毒親

そんな時でさえも、プレシャスは母親の昔の写真を見て、あたかも写真の中の母親が「ママはあなたを愛しているわ」と語りかけているかのように「イメージ」します。最悪な母親でも、自分を産んでくれた人から愛されたいと願う彼女が痛々しい一場面。

しかしどんなに罵られようとフリースクールという新たな場所への興味は尽きず、決心をして一歩を踏み出します。そこで出会うのが、彼女の恩師となるレイン先生と同じ教室に通う少女たちでした。

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厳しくも優しいレイン先生。この恩師との出会いがプレシャスの運命を大きく変えていく

プレシャスは読み書きができない少女たちとレイン先生の授業を受けるうちに、徐々に読む・書くことを覚えていきます。先生と日記を交換していくなかで自分の気持ちを少しずつ言葉に表していくプレシャス。

それは今までの人生にはなかった喜びでした。

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無口だったプレシャスが「書く」ことで自分を表現する方法を手にする

<次のページ:プレシャスを待ち受ける過酷過ぎる運命>

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キャサリン
エンタメ・グルメシーンにどっぷりつかって◯ン年。あ、ついでに旅行も好きっす。