先日、ものすごくかわいい女子と出会い、仕事はなにをしているのかと尋ねたら、ポスト屋さんに勤務していると言いました。

ポスト屋さん?
マンションのエントランスにあるような、あのシルバーのポストを売っている会社の営業事務だそうです。
言われてみれば、どこかの会社がポストを作って売るから、マンションにポストがあるわけで……。
で、仕事は楽しいのかと訊いたら「ぜんぜん」とのことでした。
求人雑誌で偶然見たから応募しただけであり、毎月決まったお給料がもらえるから勤務していると。
お昼ご飯は、お給料が少ないのでおにぎり1個なんだそうです。
食べたいものも食べられず、毎朝、こちらがほほ笑みかけてもニコリとも笑ってくれない硬いポスト屋さんに出勤して、年収300万円以下ってことです。

というような具合で、何人もの年収300万円以下のひとを見てきた著者が、そういうひとたちの特徴についてお届けしたいと思います。
熱血ビジネス書に書いてあるようなことではなく、少々情緒的な書き方でお届けしましょう!

1:やりたいことがわからない

やりたいことがわかっていても年収300万円以下の人は大勢いますが、やりたいことがわからないから、「いい企業」のエントリーシートをうまく書けず、結果的に……という人はすごく多いように、取材をしていて感じます。

2:人に嫌われたくないという思いが強い(いい子)

やりたいことがわからない人は、なにを日々の行動の指針としているのか? 人に嫌われないようにしよう、ということだったりします。
このへんはすごく情緒的なことで、小説の取材を通してこういうことに気づくにいたったわけですが、要するに「他人に見られても恥ずかしくないように無難なことをしておこう」と思っているということです。
無難な線でいこうと思えば、おのずと行動範囲が決まってきて、結果的に月収25万円くらいの会社に落ち着く、ということでしょうか。
で、額面25万円では生活が立ち行かないので、Wワークをする……という流れ……。

3:じつはなにも見ていない

ちょっとシビアな見方かもしれませんが、年収300万円以下の人は、自分にこだわっていることもあってか、じつはなにも見ていなかったりします。自分のことすら見ていなかったりします。
ゆえに人に利用されていても気づかないし、なすすべもない、となり……。

変化はある日突然、向こうから勝手にやってきます。本当に。

本屋さんで売られている熱血ビジネス書には、竹を割ったような明快なことが書かれていることが多いものです。
でも私たちの日常生活って、竹を割ったようにスパスパしていないので、もっと情緒的な視点からの気づきがあってもいいのではないかと思い、コラム化してみました。
というわけで、やりたいことがわからない、この病が格差社会の諸悪の根源だろうということです。
やりたいことはどうやって見つけるのか? そもそも見つけたほうがいいのか?
やりたいことを見つけるのは努力しかない、とか、見つけなくてもべつにいいじゃん、という識者の意見は、わりと耳にした人も多いと思います。

まあそうは言っても……とお思いの読者のために、希望の持てる締め方をしましょうか。
変化は、ある日突然、向こうから勝手にやってくる。
ある朝起きると、これをしたい! という気持ちが静かに沸き起こってくることもあるということです。
ある日突然、なにかに目覚めて、こうやって心身ともに「生きている」ってかんじになれるといいですよねっ!

もっとも「それまでは我慢」という但し書きとセットですが、変化はある日突然、向こうから勝手にやってきます。本当に。それを求めさえすれば。
なにごとにおいてもガチガチに正解を求められる、ロジカルな管理されきっている社会のなかで、わけもなく情緒的なことを信じつつ暮らすのも、ひとつの生き延び方だということです。

トップ画像出典http://www.flickr.com/photos/kwein_01/4180796942/
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ひとみしょう
作詞家・コピーライター・広告プランナーを経て、専業文筆家に。小学館 『Menjoy!』 での連載を経て、『ANGIE』初代編集長に就任(14年7月まで)。コラムの受賞歴多数。現在、連載9本を抱える。