キャンパーにとって道具は体の一部。
強風吹きすさぶ海辺で、あるいは嵐の雪山で、ときには道具によって命が左右される事態に及ぶこともある。
そして実用性に加えて、道具にはもうひとつの顔がある。大人時間の充実をもたらす、精神的ツールとしての役割だ。

ショップに一歩足を踏み込めば、あなたはきっと興奮を覚えるに違いない。
目の前にはきらきら輝くアウトドアグッズが並び、最高の道具との出会いに期待はますます膨らんでいく。
あなたの頭の中にはすでに雑誌やインターネットサイトで得た知識がひしめいており、キャンパーたちがブログで披露しているあのブランドロゴを見つけるたびに、宝物を発見したようなワクワク感を覚えるに違いない。
憧れのブランドは恐ろしく高い。しかし高ければ高いほど、それを手に入れる理由があるように感じてしまうというものだ。

しかし適切で正しい判断を下すには、何より注意深く、冷静であることが大切なのだ。
そう、命がけで次の一歩を選択しなければならない孤高の登山家のように。

あなたは考えたことがあるだろうか?

結局一度しか使わず、物置の「どこか」にしまい込まれたまま、その後4、5年は忘れられてしまう道具たちの運命を。
次に取り出したときにはカビくさく、新品同様であるにも関わらずすっかりキラメキを失ってしまった彼らの存在を。

道具選びにまつわる失敗の多くは、物そのものの不具合や機能性の低さにあるではなく、実は利用頻度にある。
察しの良い方ならすでにお気づきであろうが、意気揚々と購入→初回使用するものの、「その後なんとなくアウトドア熱が冷めてしまう」、「仲間の予定が合わず機会を逸したまま時間が経過する」などということが頻繁に起こるのである。

ゆえに初心者は大枚をはたいてアウトドアグッズのあれやこれやを購入する前に、周辺の知人・友人、先輩、会社の上司に声をかけ、「キャンプ道具持ってたら貸してくれませんか~?」と尋ねるべきなのである。
それでも、どうしても自分のものが欲しいというときは一番グレードの低いブランドの製品で十分。

さらにもうひとつ言うなら、あなたはどこへも行く必要はない。
何なら10日間で36万8千ページビューを集めた「ぼーっと沖縄」にお世話になればいいのである。

トップ画像出典http://www.photo-ac.com/main/detail/110982
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内野チエ
ライター。 Webコンテンツ制作会社を経て、フリーに。教育、子育て、ライフスタイル、ビジネス、旅行など、ジャンルを問わず執筆中。高校の3年間で1000本以上の映画を鑑賞、ときには原作と比較しながら楽しむ無類の映画好き。